UPAP
AIを「使う」とはなにか?
UPAP――Ultimate Principal-Agent Problem。自分にできないことを他者に委ねるとき、成果を評価できないという構造的問題がある。人類が数百年かけて応答してきたこの古い問題が、AIという新しい代理人の出現で制度的緩和策なしに再出現する。
シグナリング (資格、認証)、スクリーニング (セカンドオピニオン、監査)、評判機構――人類が情報の非対称性に構築してきた制度的インフラを辿る。これらの仕組みは、AIの出力に対してはまだ存在しない。ハルシネーションと正確な回答が同じ口調で出てくる。
3つの根底テーマ (非対称性・認知・制度) を4周の螺旋構造で掘り下げ、依頼者としての条件を問い直す。
目次
- レモン市場のユーザー
- 分かるとは分けること
- ひろゆきの予言
- シグナルとスクリーン
- 無知の知
- 免許という発明
- 究極の代理人
- 人間は「わかって」いるのか
- 制度なき専門家
- 暗黙知と文脈
- 使わないという能力
- 依頼者の条件